電気科と電子科の違いは? 何を学ぶの? 【現役大学生が解説】

こんにちは! けい(Twitter)です.

電気と電子って,同じに見えるんだが何がチガウンダ?

という方に向けて,少しでも電気電子が好きになってもらうように解説します!

ちなみに,私は電気電子工学科に所属していて,電磁波の研究をしています.

電気工学科

電気科は電気工学科の略で,基本的には工学部に所属します.古い呼び方では,『強電』と呼ばれるものにあたります.

強電の特徴では,電気をエネルギーとして扱うことです.

エネルギーとは,学校で習ったような運動エネルギー,位置エネルギーなどのエネルギーです.
強電は,電気エネルギーを学ぶ学問だと思って大丈夫です.

電気エネルギーは様々なエネルギーに変換することができます.

上の図より,電気エネルギーの万能さが分かります.だから,私たちの家に電線がつながってるのです.
電気エネルギーは,他のエネルギーに変換しやすく,遠くへ送りやすいから,こんなに普及しています.現代の豊かな暮らしがあるのは電気エネルギーのおかげだと言っても過言ではありませんね.

電気科の学ぶ内容

電気工学科に入って学ぶ内容はこちらになります.

  • 電気回路
  • 電子回路
  • 電磁気学
  • モータ
  • 発電

主にこんな感じの学問を学びます.それぞれが繋がっているので,体系的な知識を習得する必要があります.

電気回路は,高校物理の電気の延長です.
電子回路は,半導体が電気回路に入ります.半導体とは,ダイオードやトランジスタのことです.気になる方は調べてみて下さい.
電磁気学は,電気の基礎を学びます.電気はどのように発生するのかの核心を学ぶ学問です.個人的には,電磁気学がとてもやりがいのある面白い学問だと思います.

電気科の研究内容

電気科の研究内容は,主に電力工学(スマートグリッドなど)や,プラズマなどがあります.
もちろん,大学によっては電気工学や電子工学の線引きは違いがあるので,電気工学だけに含まれるものが上記の2つです.

スマートグリッドとは
昔に比べて,太陽光パネルや自然エネルギーの利用が増え,個人でも発電を行えるようになりました.
しかし,従来では電力を中央だけで制御していたため,色んな場所での発電に対応できませんでした.
そこで,中央集中型の制御システムから,分散型のスマートなシステムに変えていく必要がありました.そのような背景があり,スマートグリッドの研究は現在でも進んでいます.

プラズマとは
プラズマとは,「気体・液体・固体・プラズマ」というように物質の状態の一つです.
このプラズマは,高い電圧をかけ放電させることで発生させることができます.プラズマが利用されている身近な例として,蛍光灯があります.また,産業応用が非常に大きく,電子部品や機械部品の加工技術に用いられています.

電子工学科

電子科は電子工学科の略です.『弱電』と呼ばれるものにあたります.

弱電の特徴では,電気を情報として扱うことです.

今皆さんが見ているこの記事のテキストや画像は,コンピュータではすべて[0]と[1] の2つのビットの組み合わせで,処理されています.パソコンやスマホの内部で半導体がせっせと『情報』を処理して,人間が分かる情報に変換してくれています.

情報には色々な種類があります.

  • パソコンやスマホの内部の電気信号
  • フレッツ光などの光通信の,光信号
  • 無線通信に使われる電波

これらすべての情報は,皆さんが日常で利用しているものだと思います.電子工学科では,これらの情報を処理し,制御し,通信することを学びます.

電子科の学ぶ内容

電子工学科に入って学ぶ内容はこちらになります.

  • 電気回路
  • 電子回路
  • 電磁気学
  • 半導体
  • 量子力学

主にこんな感じの学問を学びます.それぞれが繋がっているので,体系的な知識を習得する必要があります.

電気工学で学ぶ分野と結構かぶっている分野が多いですが,電子工学の特徴としては半導体を学ぶことが大きいです.
この半導体が,スマホを始めとした電子機器の発展に大きく貢献しています.

電子科の研究内容

電子科の研究内容は,主に半導体・光デバイス量子デバイスなどがあります.
もちろん,大学によっては電気工学や電子工学の線引きは違いがあるので,一概には区別できません.

半導体・光デバイスとは
電磁気学,量子力学を基礎とした,半導体をデバイスとして用いる方法を研究します.
半導体も一つの材料と言えます.その材料の物性や,振る舞いなどから新しい機能を持ったデバイスを研究します.
有名な研究として,天野教授の青色LEDがあります.この研究は見事ノーベル賞を受賞しました.
これは,材料としての半導体から青色の光を生み出すデバイス,つまり光デバイスと呼ばれます.

よって電子工学の研究では,材料の性質を研究することが主になるので,実験が非常に多い研究だと言えます.

電気科と電子科の横断分野

これまで,電気科と電子科を区別して解説してきました.
しかし,現在ではこれらの区別がほとんどできない時代に突入しています.なぜなら,学問の進展に伴い,様々な複合分野が発展しているからです.
現在,ほとんどの大学で電気工学と電子工学を合体させた,電気電子工学科という名称で区分しています.

それでは,電気科と電子科で区別できなかった学問分野を見ていきましょう.

制御工学

制御工学は,モーターの制御や家電製品の制御などに使われています.
例えば,部屋の温度を一定に保っていくれるエアコンなどにも,温度を調整するようなプログラミングが与えられています.
このプログラムのアルゴリズムは,制御工学によって支えられています.

この制御工学という学問は,様々な数学的知識が求められ,応用先も多岐にわたります.
電力の制御,次に述べるパワーエレクトロニクスロボットの制御などが挙げられます.

よって,電気電子工学科ではプログラミングが必須となっています.

パワーエレクトロニクス(パワエレ)

パワーエレクトロニクスという言葉は,初耳かもしれません.この学問分野は,比較的新しい分野となっていて,日本が頑張っている分野でもあります.

パワーエレクトロニクスとは,半導体を用いて電力を制御する学問です.つまり,電気科と電子科の両方の知識を用いた学問になります.

パワエレの技術が詰まった商品として,スマホやパソコンの充電器,電気自動車,新幹線,インバーター入りの家電などがあります.
ぜひ家電量販店に行って見て下さい.インバーターエアコンや,インバーター洗濯機が売っています.

このパワエレの技術を用いると,省電力小型化が実現できます.日本は元々資源の少ない国なので,省エネの分野では世界トップレベルです.

電磁波・通信工学

スマホって線を繋がなくても,インターネットを見たりSNSで友達とコミュニケーションをとったりすることができますよね.
これを可能にしているのが無線通信です.無線通信は読んで字のごとく,線が無い通信です.
線が無くてどうやって通信するのか,それを担うのが電磁波です.空間中を電波と呼ばれるものが飛んでいて,それで通信しています.
電波なら聞いたことある人は多いと思いますが,電波は電磁波の一種です.
電磁波自体は一種のエネルギーですが,情報も伝達します.つまり,電気工学でもあり,電子工学でもあります.

電磁波

上の図が電磁波全体を表しています.電磁波は波なので,波長があります.
その波長によって,放射線,光,電波というように名前が決められています.
電波はこの中では,波長が長い電磁波のことを指します.

この波に,[0]と[1]の情報を乗せて送信しています.

つまり,通信手段は何も電波だけじゃなくて,光でも通信できます.
その証拠に,赤外線通信や,光ファイバーというものを聞いたことがあると思います.

そのような,波に情報を乗せて通信する方法を考えるのが通信工学です.
スマホの4Gとか5Gとかの通信方式などを研究します.

ロボット

ロボットは,電気工学と電子工学の他にも,機械工学,情報工学などの様々な知識が要求される分野です.

Pepper君を想像してみると,手を動かすモーター(電気回路,制御工学),ボディ(機械工学),人と話す(情報工学)など,様々なテクノロジーが必要です.

よって,ロボットの研究は様々な分野で行われおり,電気電子もその分野の一つです.

まとめ

電気電子は範囲が広い

何だか沢山あったけど,範囲広クナイカ?

そうです,皆さんお分かりの通り,電気電子は範囲がとても広い学問分野です.

高校生の段階では,まだ分野を絞り切れていない人が多くいると思います.

けい

おいらもそうだったぞ

なので,沢山の選択肢がある電気電子工学科に入れば,やりたいことが見つかる可能性が高いと思います.

電気電子工学科に向いている人

あくまでも参考までに,

  • 目に見えない’電気’というものに興味がある人
  • デジタル機器が好きな人
  • 実際に動く物を作ってみたい人
  • 数学よりも物理が好きな人
  • ロボットを作りたい人
  • まだ具体的に何をやりたいか決まってない人

4番目の数学よりも物理が好きな人は結構重要かもしれません.友達に電気電子に入ったものの,数学が好きで悩んでいる人がいます.

人生100年時代,何を学ぶか

それでもいつかは学科を選ばなくてはならない時がやってきます.
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