こんにちは! けい(Twitter)です。
今回は、夜間でもきれいに映るカメラモジュールをラズパイで使ってみたので、レビューしていきたいと思います。
※双峰エンタープライズ株式会社より商品をご提供頂きました。レビューはライターの感想です。
目次
ラズパイ用高感度カメラモジュール「SE327MBD」

- ソニー製「高感度」イメージセンサー「IMX327」搭載
- 「レンズ」を自由自在にカスタマイズ可能(魚眼レンズも!)
「SE327MBD」の一番のポイントは「高感度」カメラです。
「高感度」とは暗い場所でも被写体を綺麗に映すことが出来るという意味で、夜間の撮影で威力を発揮するカメラです。
- 夜間も撮影できる「屋外監視カメラ」
- 野生動物の撮影
- 天体観測
カメラモジュール別の性能表
ラズパイ公式の「カメラモジュールV2.1」との比較を行います。

カメラモジュールの大きさ自体は同じですが、「SE327MBD」は直径12mmの魚眼レンズを搭載しているため、レンズの大きさにかなりの違いがあります。
カメラモジュール V2.1 | SE327MBD | |
---|---|---|
イメージセンサー | IMX219 | IMX327 |
解像度 | 3280 × 2464 | 1920 × 1080 |
センサーサイズ | 1/4″ | 1/2.8″ |
ピクセルサイズ | 1.12μm × 1.12μm (1.3μm^2) | 2.9μm × 2.9μm (8.4μm^2) |
注目したいのが「ピクセルサイズ」です。
ピクセルサイズは一つ一つのセンサーのサイズを表しており、大きいほど感度が高くなります。
V2.1に比べ6倍以上の面積となっていることが分かります。
カメラモジュールの撮影比較
- ラズパイ本体(今回はラズパイ4を使用)
- カメラモジュール「SE327MBD」※
- カメラモジュールV2.1(比較用)
- M12カメラレンズ(カメラモジュールと合わせて購入可能)※
※購入方法は最後に記載しています。
カメラコマンド「libcamera」を使うための準備
今回は、ラズパイのカメラコマンド「libcamera」を使用して、撮影を行っていきます。
以前の記事でOS別のインストール手順を紹介したので、そちらを参考に「/boot/config.txt」ファイルを編集します。
イメージセンサー「IMX327」を使用するので、以下の文字を「/boot/config.txt」に追加します。
dtoverlay=imx290,clock-frequency=37125000
これで「libcamera」を使う準備が整いました。
画角の比較
実験環境
- 場所:室内
- 明るさ:シーリングライトの最大の明るさ
- 距離:壁から2m程度
- 画像を撮影
スマホ用の三脚にカメラモジュールマウントを固定し、同じ条件で撮影しました。


今回の実験でカメラモジュールを固定するために設計した3Dプリントパーツは以下のサイトで公開しています。
使用したい方はご自由にどうぞ。
「V2.1」と「SE327MBD」の画角の比較
次のコマンドで撮影しました。
libcamera-still


「SE327MBD」は部屋の隅から隅まで撮影出来ていることが分かります。(水平方向180°)
垂直方向、水平方向のどちらも「V2.1」よりも広い範囲を撮影することができます。
低照度時の比較
実験環境
- 場所:屋外
- 明るさ:21時の住宅街や公園の明るさ
- 画像と動画の両方を撮影
先ほどと同様に、三脚にラズパイとカメラモジュールを固定し、屋外での撮影を行いました。
ラズパイを外で使用し、撮影するためには以下の事が必要です。
- ラズパイのバッテリー駆動
- シャッターボタンの実装
- 撮影するためのプログラム
当ブログで紹介している「モバイルバッテリー」を使用しました。
タクトスイッチをラズパイのGPIO17、GPIO18に繋ぎ、タクトスイッチを「シャッターボタン」として実装しました。

今回は、「libcamera」を使用して撮影を行いたいので、「シェルスクリプト」を作りました。
ラズパイのGPIOはシェルスクリプトでも制御することが出来るので、それを利用してタクトスイッチを押したときに撮影するようなプログラムを作りました。
#!/bin/bash
sudo pigpiod
sleep 5
echo 'm 17 w w 17 1 m 18 r pud 18 d' > /dev/pigpio
count=1
while true
do
value=`pigs r 18`
if [ $value -eq 1 ]; then
libcamera-still -t 1000 -o IMX327_2/test_${count}.jpg
libcamera-vid -t 10000 --width 1920 --height 1080 -o IMX327_2/test_${count}.h264
echo $[count++]
sleep 1
fi
done
「V2.1」と「SE327MBD」の画像比較
次のコマンドで撮影しました。
libcamera-still
特別な設定はせず、カメラのオプションはデフォルト値を使用しています。






どちらも歩きながらの撮影を行っています。(手ぶれは同程度のはずです。)
「V2.1」は夜間の撮影の影響か、全ての写真がぼやけていました。
一方、「SE327MBD」は夜間でもくっきりと撮影出来ていることが確認できます。
「V2.1」と「SE327MBD」の動画比較
続いて、動画の比較を行います。
撮影コマンドは次のコマンドで撮影を行っています。
解像度はフルHDとし、10秒間の動画を撮影しました。
libcamera-vid -t 10000 --width 1920 --height 1080
夜間の動画で圧倒的な差が生じました。
「SE327MBD」は夜間でも被写体の色をしっかり捉えていることが確認できます。
そのため、夜間の監視カメラ用途としても十分な性能を発揮することができます。
様々なレンズにも変更可能

M12のレンズと組み合わせることが出来るので、用途別にレンズを変更することもできます。
今回使用した魚眼レンズは勿論、さらに広い視野での撮影が可能なレンズもあります。
購入方法
最後に、今回紹介したカメラモジュール「SE327MBD」の購入方法をご紹介します。
「双峰エンタープライズ株式会社」の公式サイトの「お問い合わせ」ページより購入することができます。
この記事を読んで気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。