こんにちは! けい(Twitter)です。
今回は、ラズパイで使える高機能カメラモジュールを開発している「双峰エンタープライズ株式会社」のカメラをレビューします。
- ラズパイで使えるカメラモジュールで4K撮影をしたい!
- ラズパイでマクロ撮影に挑戦したい
※双峰エンタープライズ株式会社より商品をご提供頂きました。レビューはライターの感想です。
目次
ラズパイ用4Kカメラモジュール「SE258AF120」
- ソニー製高解像度4Kイメージセンサー「IMX258」搭載
- フォーカスを制御できる「VCMドライバー」搭載
- 被写体に2cmまで寄れる「マクロ撮影」可能
カメラモジュール別の性能表
ラズパイ公式の「カメラモジュールV2.1」との比較を行います。
見た目は「V2.1」が緑色に対して、「SE258AF120」は黒色の基板でかっこいい印象です。
また、「SE258AF120」はVCMドライバーが付いていることが確認できます。
カメラモジュール V2.1 | SE258AF120 | |
---|---|---|
イメージセンサー | IMX219 | IMX258 |
解像度 | 3280 × 2464 | 4208 × 3120 |
メガピクセル | 8MP | 13MP |
センサーサイズ | 1/4インチ | 1/3インチ |
レンズ画角(水平×垂直) | 62.2°× 48.8° | 約100°× 80° |
フォーカス | 固定 | フォーカスドライバー搭載 |
「V2.1」よりも「SE258AF120」が性能面で大幅にグレードアップしていることが分かります。
特に、4K画像を広角で撮影できるので高解像度が必要とされるシーンでの活用が期待されます。
また、「2cm」までフォーカスを合わせられるので、マクロ撮影が可能な点も大きな特徴です。
4Kカメラでマクロ撮影に挑戦
それでは、実際にラズパイのカメラコマンド「libcamera」を使用してマクロ撮影に挑戦してみたいと思います。
今回使用したもの
今回使うカメラモジュールのイメージセンサーは「IMX258」ですが、現時点ではlibcameraにデフォルトでサポートされていません。
そのため、カーネルビルド済みのSDカードをカメラと合わせて購入することをおすすめします。
「libcamera」を使うための準備
「libcamera」を使用するための準備を行います。
以前の記事でOS別のインストール手順を紹介したので、そちらを参考にしてください。
「libcamera」がインストールできたら、「boot/config.txt」を編集します。
イメージセンサ「IMX258」を使用するので、以下の文字を「/boot/config.txt」に追加します。
dtoverlay=imx258,vcm
これで「libcamera」を使う準備が整いました。
マクロ撮影をしてみる
実際に「2cmの距離」でマクロ撮影をしてみます。
被写体として、ダイソーで購入したカエルの置物を撮影してみました。
「SE258AF120」カメラモジュールのフォーカスは、ソフトウェア制御が可能です。
カメラモジュールV2.1は専用の治具を使用してフォーカスを合わせる必要がありましたが、「SE258AF120」はコマンドを実行するだけでフォーカスを合わせることができます。
v4l2-ctl -d /dev/v4l-subdev1 --set-ctrl=focus_absolute=300
「focus_absolute」の数値を変更することで、フォーカスを調節できます。
「0 ~ 1023」まで変更することができ、数値を大きくするほどカメラの近くに焦点が合います。
次のコマンドを実行して、撮影してみます。
v4l2-ctl -d /dev/v4l-subdev1 --set-ctrl=focus_absolute=1000
libcamera-still -o test.jpg
バスケットボールの凸凹した質感をしっかり捉えられていることが分かります。
周りのボケ感もいい感じですね。
マクロ撮影をしていたら楽しくなってきたので、他にも色々撮影してみました。
Q1. これは何でしょう?
正解は「アスパラガス」でした。
一枚一枚のはかまがくっきりと映っています。
Q2. これは何でしょう?
正解は「ラズパイゼロ」でした。
玄人はアンテナの形を見れば型も一瞬で分かるかもしれません。
カメラモジュールV2.1と比較してみる
先ほど性能を比較した、カメラモジュール「V2.1」と「SE258AF120」の画像の比較を行います。
- 場所:室内
- 明るさ:シーリングライトの最大の明るさ
- 距離:壁から2m程度
スマホ三脚にカメラマウントを固定し、同条件で撮影
「SE258AF120」は、かなり広角で撮影出来ることが分かります。
細部を見たいので、同じ領域を拡大比較してみます。
↓拡大した画像
「V2.1」は全体的に少しぼやけたような画像ですが、「SE258AF120」は壁の模様までもくっきりと、色味も鮮やかに表現できています。
購入方法
最後に、今回紹介したカメラモジュール「SE258AF120」の購入方法をご紹介します。
双峰エンタープライズ株式会社の公式サイトの「お問い合わせ」ページより購入することができます。
この記事を読んで気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。