2020/8/29に,Nueralinkが最新の研究成果を発表しました.
元の動画が英語なので,サクッと読みたい方向けにまとめてみました.
目次
新しい電極
電極の変化
前回の発表と今回の発表の違いを見てみましょう.
前回の電極が左で,今回の新しい電極は右です.
見た目の変化として,複数あった埋め込み型のデバイスを,一つのデバイスにまとめたという感じです.
さらに,前回の電極は外部電源から電力を供給していましたが,今回はワイヤレス給電にすることで,外からは何も見えなくなりました.
スペック
電極数 | 1024本 |
バッテリー寿命 | 半永久 |
充電間隔 | 一晩 |
通信距離 | 5~10m |
サイズ | 23mm * 8mm |
見た目 | 外からは見えない |
さらに,6軸加速度センサー,温度センサー,気圧センサーなども組み込まれているようです.
また,充電方法はスマホと同じようなワイヤレス給電で充電します.
手術
手術は画像のように,以下の手順で行われるようです.
- 頭蓋骨を露出させる
- 電極をロボットで脳細胞に埋め込む
- デバイスを埋め込む
そのため,完全に頭の中にデバイスが埋まっているので,外からは埋めていることが分からないそうです.
手術ロボットがすごい
このロボットが脳に電極を埋め込む手術ロボットです.
先の針で電極を埋め込むのですが,埋め込む時になんと血が出ないんです.
それほど極細の針を用いて正確な制御をしているようです.
また,約1時間で手術が終わり,全身麻酔なしで,手術後にすぐ帰ることを想定しているようです.
ここからどこに向かうのか
現状
現在は,豚に電極を埋め込み研究を行っていることを発表しました.
研究成果として,豚の現在の四肢の位置を脳の信号から推定できることを示しました.
上の画像が,豚の四肢の位置を推定している様子です.
実際の足の位置が●で示されていて,推定値が▲で示されています.
推定の精度が高いことが読み取れます.
あんなに小さいデバイスで,これほど正確に予測できるのはすごいですね.
示された未来
この発表で大きく会場が盛り上がる場面がありました.それは,
7月にFDAから承認を得たという内容です.
FDAはアメリカ食品医薬品局の略で,医療機器を規制および承認している機関です.
これは,人間での実験を開始することを示しています.
正確な時期は決まっていないようですが,近い未来にSFがSFでなくなることは確かなようです.